重症筋無力症
重症筋無力症は、神経難病の一つです。
免疫の異常が原因となって、全身の筋力が低下する自己免疫疾患です。
どんな病気か?
末梢神経と筋肉の接ぎ目(神経筋接合部)において、筋肉側の受容体が自己抗体により破壊される自己免疫疾患です。患者数は人口10万人あたり11.8人で、日本では15,100人ほどの方が重症筋無力症にかかっていると推定されています。
重症筋無力症によって起きる症状
重症筋無力症は、筋力の低下と疲れやすくなることが大きな特徴です。
- 朝は症状が軽く、夕方になると症状が重くなる
- まぶたが重くなる(眼瞼下垂)
- 視界が二重に見える(複視)
- 言葉が不明瞭になる(構音障害)
- 飲み込むことが難しくなる(嚥下障害)
- 呼吸が苦しくなる(筋無力症クリーゼ:呼吸困難)
症状の程度、組み合わせ、出現のタイミングや進行は、患者さんによってさまざまです。
診断
- 神経内科専門医による神経学的診察
- 針筋電図、神経伝導速度検査など専門的な検査
- その他血液検査や画像検査など
よく似た症状を出す他の病気との鑑別診断が必要になりますので、当院では連携病院の神経内科と相談しながら慎重に診断します。
治療法
重症筋無力症は、ステロイドや免疫療法の普及によって死亡例や重症例は減少し、怖い病気ではなくなりました。適切な治療を継続することで、健康な方と同様の生活を送ることも十分可能になっています。
そのため、専門医による定期的な診断や、リハビリ・介護との連携が非常に大切になっています。
リハビリによって筋肉を維持することが大切です
リハビリテーションは状態の悪化を緩やかにする助けになります。筋肉は使わないとどんどん弱くなり(筋萎縮)、また筋肉の動きに必要な関節も固くなっていきます(関節拘縮)。生活の質を維持するためには、筋萎縮や関節拘縮予防するためのリハビリテーションは有効です。
ご家族や知り合いに重症筋無力症の診断、治療、リハビリテーションについてお困りの方がいらっしゃいましたらお問い合わせください。また、当クリニックでは、介護相談も行っております。